今宵に想う

夜の匂い。

素敵な夜が訪れる。

何度もう駄目だと思っただろうか。

あの若かった日々に。

たった一つの贖罪でもあれば。

すべては大河の流れのようだと。

忘れても構わないのだろう。

この胸を焼き焦がす、スリルとロマン。

いくつもの夜を超えて。

ここにやってきた。

やがて死んで逝くのだとしても。

甘酸っぱいときめきと引き換えに。

愛にダイヴしたい。

月に愛されて、月とともに涙した夜の記憶。

今夜世界が、終わるのだとしても。

一択の悔いも残らぬように。

波の記憶に洗い流そう。

海に育まれ、海の神に愛された素敵さよ。